著者:長池涼太:HSPの学び舎運営・HSP研究/エビデンスを発信するブロガー
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2022年4月9日土曜日に教員向けオンラインコミュニティ「学校&教育Update Group」内で開催されたHSPオンライン講座に講師として登壇してきました。
HSPオンライン講座を開催した背景
僕がブログやSNSでHSPを発信し始めた2018年は、まだHSPもそこまで知られておらずTwitterでHSPの発信をしている人を見つけるのも苦労したくらいでした。それが2020年にコロナ禍に入ったころを境にSNSはもちろん、テレビなど各種メディアでHSPが取り上げられる機会が増えてきました。
それに伴ってか、学校内でもHSPが話題になることが増えたようで保護者から教員へ「うちの子、HSPなんですけど…」といった相談も増えてきたようです。講座は主に学校の教員20人ほどの参加でしたが、講座開始時にHSPを知ってる人を尋ねたらほとんどの人がHSPを知っており、自分の想像以上にHSPが学校現場にも浸透していて驚きました。
同時に教員も保護者もHSPをちゃんと理解してる人が少ないため、どう対応すればいいか苦慮している感じでした。
HSPオンライン講座で扱った内容
大きく分けて2部構成で、『HSPとは?』『HSP×教育(学校におけるHSP)』について解説しました。内容は、
- HSPが知られるようになった経緯
- HSP診断テストの是非
- HSPを診療する病院
- 学校におけるHSPの功罪
- HSPと発達障害の違い(参加者とディスカッション)
- HSPの子は学校が苦手?
- 研究論文内におけるHSPチェックリスト
といった感じで、ネット上でよく見かける情報ではなく研究論文をベースに『本来の』HSPを伝えることに注力しました。
SNSでよく見るHSP診断テストが実は良くない話、HSPだから(必ずしも)不登校になるわけではない、など一般に出回っている情報と逆の話も多く、参加者が驚いた部分も多かったです。
研究論文をベースにHSP交流会などHSPのイベントをやってるのは研究者を除くと僕だけかもしれません。
HSPと発達障害の違いについてのディスカッション
単に僕が話すだけでは面白くないと思い、講座の途中で「HSPと発達障害の違い」について参加者同士でディスカッションをする時間を取りました。ただ、違いといっても難しいところでたとえばHSPでよく言われている「音に敏感(大きい音に不快感を覚えやすい)」は発達障害特にASDでも見られる特徴とのことで、実はHSPも発達障害も表に出る特徴などは近い部分もあります。
そのため、表面上のHSPと発達障害の違いを説明するのは現時点ではかなり難しいと感じました。このことから、HSPの子どもに対して教員など大人ができることはHSPだからどうするではなく、「その子の悩みに対して寄り添う、アプローチする」のが今のところはいいのでは?という結論になりました。
参加者の一人が「安心・安全な場づくり」とおっしゃっていましたが、これはすごくいいと思いました。
HSPを学んで教育に活用しよう!
とにかく想像以上に教員の皆さんがHSPについて知ってる人が多く、学校現場でもHSPというワードが出てくる場面があって驚きましたし、それだけHSPが知れ渡っていると改めて実感しました。ただ、HSPの情報量が多いわりに質の高い、ちゃんとした情報は一握りなのが現実。
僕のほうでも定期的にHSP交流会(勉強会)を開催していますが、HSPについて正しい認識が広がればと思います。
HSPの講座の依頼もお待ちしております