著者:長池涼太:HSPの学び舎運営・HSP研究/エビデンスを発信するブロガー
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今回の記事のテーマは「HSPと事務職の相性」について。
本やネット上のHSPに関する情報を見ていると、「HSPは事務職が適職!」と言っているものが多いという印象を受けました。実際HSPの気質をそのまま当てはまると事務職が向いているということも言えることは言えます。
一方でHSPの人で事務職の仕事が相性が悪いという方もいます。何よりHSPの僕も事務職を経験していますが、体調を崩して辞めざるを得ない状況にまで陥りました。そんな経験もあり「HSP=事務職」というのを鵜吞みにしてほしくないなとも感じました。
そういった思いも込めて、今回は実際に経験したことをもとにHSPと事務職の相性の良いところ、悪いところをまとめています。
HSPは事務職に向いていると言われている
ネット上の情報などを見ているとHSPに向いている仕事として真っ先に挙がることが多いのが「事務職」。僕が大学生の頃にマイナビなど就活サイトにある適職診断をいくつかやっても、事務職は適職の上位に挙がってました。同時にかなり内向的な性格だったため、なんとなく営業は向いてないなと感じていました。
当時は喋れるのが営業、おとなしい人が事務をやるというイメージがあったので、それもあって何となく事務は向いているのかなーと感じていました。HSP的には、
- 細かな気配りができる
- ルーティンワークが多い
- 基本的に外には出ないので体力的な負担は少ない
といったあたりが事務職に向いていると言われる理由のようです。
では、実際に勤めてみたらどうだったのか?
実際に事務職をやって辛かったこと
僕の会社は割と難易度高めだったかにも思えますが、HSP気質に照らし合わせるとこの辺がきつかったみたいな点はありました。
常に人の目がある
「事務職は一人で仕事ができる」と言われていますが、これは半分正解で半分間違いです。確かに書類作成、記入などの作業自体は一人でもできます。
ただしそれを提出したりチェックする人(主に上司)がいるので、どうやっても人との関わりは発生します。なによりHSP気質の傾向として、人の目(評価)や雰囲気を気にしてしまいます。この点は当時友人に、
気にしすぎだよー
とかよく言われてましたが、こればかりは気質なのでどうしようもないのです。
「気にしすぎ」って言われても、どうしてもそういうのを考えちゃうんだよ…
人間関係に特に気をつかう
僕は事務職以外にも塾講師や農業、運転代行など様々な仕事を経験してきました。塾講師や農業もそうですが、事務職は同じ部署の人との連携はより必要だなと感じました。逆に言えば事務職は、人間関係の要素が非常に強い仕事です。
事務は良くも悪くも閉鎖的な環境なので、人間関係になにかあったときのリスクは非常に大きいです。僕は仕事を1か月で完全には覚えることができず、そのせいか上司からの風当たりも強くなり部署内に味方が一人もいない状況になってしまいました。
そのせいで過敏性腸症候群になったり鬱寸前になってしまったので、もしものことがあるとかなり厄介です。もちろん良好な人間関係が築ければ、かなり楽しくなりそうですけどね。
マルチタスク状態
事務はゆったりとしたイメージがある方もいるかもしれませんが、意外とそうでもありません。むしろ僕が過去に経験した仕事の中では、かなりスピード感のある仕事でした。加えて僕のいた会社は事務と言っても総務部と経理部が合わさったような部署だったので、場合によっては両方の仕事を受け持つこともありました。かつ早急に仕上げなければいけない仕事も多かったので、いわゆるマルチタスクの状態(複数の仕事を抱えている状ことが多い状態)になることは多々ありました。
おそらく僕のいた所は事務職の中でもかなり仕事量の多い部類になるとは思いますが、それでもこういう事務職もあるということです。
複数のことを同時並行でこなすのはキツイ…
HSPが働きやすい職場の条件
丁寧さを重要視してくれる
HSPの特性上、基本的にはスピードより丁寧さ(正確さ)に重きを置くような職場だと力を発揮しやすいです。もちろんスピードと丁寧さの両立ができればそれが一番良いですが、現実的にはなかなか難しいです。
よほど仕事のできる人、自分に自信のある方でなければ「丁寧さ」を評価してくれる職場に入ると良いですね。
人間関係が良い
仕事の内容云々よりもこれですね。
いろんな会社を渡り歩いた身として、<人間関係は最も重要といっても過言ではないです。例えば塾講師は一番長く続いて4年間やっていましたが、その一番の要因がまさに人間関係でした。昇給がなかったり、長時間労働、休みが少ないなど労働環境としては最悪でしたが、上司や同僚とも上手くやれていたので、それで持ちこたえられた部分はありました。
逆に、僕がひどい目にあった派遣事務や農業は条件(労働時間、給料、福利厚生など)だけ見るとかなり優良企業でした。でもそんな会社でも、僕みたくボロボロになったり切り捨てられることもあるのです。
一人で集中して仕事ができる
他人の言動や様々な刺激を受けとって疲弊してしまうのがHSP。「深く処理する」というHSPの大きな特徴もあるので、特にこれに強く当てはまるタイプの人はなるべく一人でじっくり、集中できる環境で仕事をすると力を発揮しやすいです。
事務は会社によりますが同じ部署の方との連携する要素も強いので、意外と一人でじっくりという感じでもありません。またどうしても周りに人がいることが多いので、そこが気になる人はキツイかもしれません。
HSPと事務職の相性が良いとは言いきれない
- 常に人の目があり神経をつかう
- 人間関係に特に気を遣う必要がある
- マルチタスクの状態になることが多々ある
何度も言いますが、「HSPは事務職と相性が良い」…とは必ずしも言い切れません。もちろんHSP気質が良い方向に働くこともありますが、同様に悪い方向に働くこともあります。
HSPで事務職をご希望の方は、今一度自分の気質(内向型などHSP以外もふくめて)と向かいあって自分が本当に事務職が合っているかを考えてみましょう。
HSPだから事務職を選ぶのではなく、「あなた」に事務職が合うかが大事です。