著者:長池涼太:HSPの学び舎運営・HSP研究/エビデンスを発信するブロガー
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僕はかれこれ2年くらいHSPの発信をしていますが、多くの人が気になると思われるのが、
- 自分はHSPなのか?
- HSPかどうかってどうやって判断するの?
といったことかと思います。
これが発達障害(ADHDやASDなど)であれば、病院に行って発達障害かどうかの診察はできます。
でもHSPはそもそも病気ではない(治したり軽減するものではない)ので、病院でHSPだと診断することがありません。
だからこそ、自分で見極める(セルフチェック)が現状は唯一の方法になっています。
今回はオススメのセルフチェックとセルフチェックをしたうえでのHSPに対する向き合い方についてまとめています。
HSPかどうかの診断について
まず前提として、現状は病院でHSPかどうかの診断をすることはありません。
病院によってはホームページでHSPのことを取り上げている場合はあります。
(ごく一部の病院で「HSPの診断やってます」みたいなこと言ってるところもありますが、あまり良くないですね…)
ただしあくまでコラムや参考情報程度なので、病院に行っても医師が対応できません。
そもそもHSPは病気ではなく気質なので、治したり改善や克服するものではありません。
まずは『DOES』に当てはまるかを確認
自分がHSPかどうかが気になったときに、まず確認してほしいのがHSPを構成する4つの要素である『DOES』。
- 深く処理する(Depth of processing)
- 過度に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)
- 全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い(being both Emotionally ractive generally and having high Empathy in particular)
- ささいな刺激を察知する(being aware of Substle Stimuli)
アルファベットを一つずつ取って『DOES』と呼び、HSPの第一人者エレイン・N・アーロン博士も「1つでも当てはまらないものがある場合はHSPではない」としています。
細かい特徴がたくさんあるHSPですが、まずこのDOESにあてはまるかを確認しましょう。
もし、4つとも当てはまったということであれば、これから紹介するチェックテストも受けてみましょう。
HSPのチェックテストはある
繰り返しになりますが、病院に行ってもHSPの診断はできません。
現状はセルフチェックが唯一の確認手段です。
HSPの書籍内でも、HSPかどうかのチェックなどはできますが、Google検索などネット上でもHSPのチェックテストは見つけることができます。
HSPのチェックテストの主なものを紹介します。
HSP診断テスト(定番だが…)
受けている人もけっこう多い、HSP診断テスト。
Twitterなどを見た感じ、このテスト一番メジャーな印象です。
48個の質問に
- 当てはまらない
- ほとんど当てはまらない
- 少し当てはまる
- ほぼ当てはまる
- 完全に当てはまる
の5択で答えます。
少し時間は取りますが、点数が出たりHSP度が弱・中・強の3段階で出るため、HSPにどれくらい当てはまるかは分かりやすいです。
追記
実はHSPの公式の研究とは全くの無関係という…
Sensitivity Tests -Sentivity Research(海外のHSP研究者が運営)
Sensiticity Testsも同じくHSPのチェックテスト(セルフチェック)。
さきほどのHSP診断テストと違うのは通常の診断テストに加えて、
- 8歳~18歳の子供を対象にしたテスト(HSCの診断)
- 子どもを持つ親向けのテスト
の全部で3パターンのテストが受けられること。
僕みたく成人してHSP当人はもちろん、未成年やお子さんをお持ちの親御さんにも使える点が良いですね。
質問内容はHSP診断テストとかぶる部分もありつつ、HSP診断テストが質問に対して5段階評価で答えるのに対して、こちらのテストは7段階なのでより細かい結果が出るかもしれませんね。
海外のサイトなので、翻訳の制度に限界はありますが大まかにHSP気質の強弱を3段階で評価。
僕はHSP気質が強い(High)みたいですね。
何よりこのサイトを運営しているのが、HSPの新進気鋭の研究者であるPluess(プルース)先生をはじめとした研究者のグループ。
サイトの内容も科学的なエビデンスに基づいているので、現時点でHSPについては最も信頼できるサイトとも言えるかもしれません。
研究者の方がこのようなサイトを作ってくれるのはありがたいですね。
気になる方はコチラ↓
JAPAN Sensitivity Research(日本のHSP研究者が運営)
HSP(Highly Sensitive Person)という言葉が社会的に普及しつつあります。Japan Sensitivity Researchは、環境感受性(HSP)を専門とする研究者が、研究にもとづく信頼できる情報を共有するサイトです。
JAPAN Sensitivity Research
さきほどのSensitivity Resarch.comの日本版のサイトで、2020年11月にオープンしました。
厳密にはこのサイト内に、HSPの診断・チェックテストはないのですが、HSPについて現状日本で一番信用できるサイトです。
環境感受性などHSPに関する専門用語も出てきますが、このサイトを見ておけばHSPが何たるかがよくわかります。
ついに日本版もできた!
日本のHSPの情報源としては一番信用できる(公式に近い)サイトですね。
The Highly Sensitive Person
こちらのサイトはHSPの研究者エレイン・N・アーロン博士の許可を経て、日本で独自に作成、運営しているサイトです。
翻訳されたものなので、アーロン博士の言うことと若干のズレがある可能性はありますが、アーロン博士の話がベースになっているので信ぴょう性は高いと思っても良いです。
ちなみにHSPの中でも活動的な気質の『HSS』についても20個の質問があり、女性は11個、男性は13個以上当てはまったらHSSとのことです。
(当てはまるものが女性で7個以下、男性で9個以下はHSSの可能性が低い。間の場合は中間)
僕は当てはまったのが、1個だけだったのでHSSの気質はほとんどないようです。
このサイトの運営者(日本語に翻訳した人)、HSPの研究や活動をしている人ではなく、あくまで翻訳や通訳が本業だそうです。運営者がHSPに対してどこまで詳しいかは未知数です。
大元を見たい方は英語版もありますのでそちらをご覧ください。
SNSなどでよく見かける「HSS(活動的なHSP)」「HSE(外向的なHSP)」ですが、いずれも研究論文においての言及はほとんどありません。
そのため、現時点ではHSSやHSEは根拠のない話なので気をつけましょう。
HSSはアーロン博士本人が触れていますが、アーロン博士以外の研究者で触れてる人がほとんどおらず、研究が進んでいないのが現状です。
なぜエビデンスのないHSSやHSEがここまで広がっているんだろう…?
メンタルクリニックなど病院のホームページ
うつ病やストレスに関する治療がメインで、HSPだけでなくうつやストレスに関するチェックテストや情報も扱っています。
チェックテストの結果でHSPであるかどうかの可能性があるのはもちろんですが、うつ病の可能性やストレスの溜まり具合も大まかにチェックできる点が特に良いです。
HSPだからといって病院に行く必要はありませんが、うつの可能性がある場合はすぐに病院に行き適切な治療を受けましょう。
他にも心療内科などメンタルにかかわる医療機関のホームページで、HSPを取り上げているところはいくつかあります。
いずれにしても、HSPは病院で診断されるものではなく、『向き合うもの』。
HSPは病院で治療するものではないことは分かっていただければと思います。
◎追記
HSPの研究者の意見ですが、某クリニックでは『HSPうつ』と称したうえでの高額のカウンセリングがあるようです。
- HSPは心理学の領域のため、本来医学の領域である病院やクリニックといった医療機関は専門外
- HSPとうつ(生きづらさ)に関して相関関係は今のところ認められてない
ということがあるので、このような医療機関での高額のカウンセリングは気をつけましょう。(少なくとも現時点では効果など未知数です)
発達障害や鬱などHSPを抜きにということであれば、カウンセリング自体は効果的です。(当たりはずれはあるそうですが)
HSP診断サイトの点数の意味はあまりない?
診断サイトによっては
- ○点以上だとHSP気質(○点以下だとHSP気質でない)
- 質問項目に○個以上当てはまるとHSP
みたいな記述もあります。
ただ、HSPに関して今のところ明確は基準や境目はありません。
環境感受性は、ヒトが誰もがもつ一般的な性質です。低い人から高い人までのグラデーションがみられます。その分布の形状は、正規分布(平均値周辺に人数がもっとも多く、平均値から左右対称の形状)を示すことが示唆されています。
HSPとは|研究にもとづくHSP情報サイト
環境からの影響の受けやすさのこと。研究においては、HSPはこの環境感受性が高い人の上位30%くらいとしている。(とはいえそこまで明確でもない)
ちなみに環境感受性は個人差はありますが、誰もが持っている性質。
このようにHSPかそうでないかの基準は研究でもそこまで明確ではなかったり、そもそもHSPかそうでないかを分けること自体推奨しない立場の人もいるそうです。
そのため、『HSPかどうか』についてあまり固執しすぎない方が良いかもしれません。
HSPの公式のチェックリストは研究論文
最近では、HSPの研究も進んでおり研究論文も発表されています。
『Google Scholar』という研究論文の検索エンジンがありますが、そこでHSPを検索すれば海外も含めてHSPに関する研究についてみることができます。
僕も大学生の時に卒業論文を書くにあたって、Google Scholarにはお世話になりました。
HSPで研究者・学者というとやはり第一人者のアーロン博士のイメージが強いかもしれませんが、実際はアーロン博士以外にもHSPの研究者はいます。
むしろ、最近のHSPの研究においてはアーロン博士以外の方がメイン、第一線で活躍しています。
最近では日本国内でも少ないながら、HSPの研究者も出てきていますからね。
例えばTwitterだと飯村周平さんというHSPの研究をされている方がいるので、その方の発信も参考になります。
研究者でSNS上で発信されている方は少なく、HSPの研究に基づいた精度の高い情報を発信してくれる数少ない方です。
アーロン博士一辺倒では今や浅い情報しか手に入らない…。
研究者の発信や論文の場合、どうしても専門用語などが出てくるため一般の人から見たらかなり難しく感じるかもしれません。
ただ、たくさんのHSPの情報がある中では質の高さという意味では研究論文が一番かと思われます。
そんな研究と論文の世界ですが、実は研究論文の中にもHSP・HSCのチェックテストはあります。
と年齢ごとに分かれているので、一度目を通してみると良いですね。
(質問項目は各論文の後半に記載されています。)
一部のHSPの発信者・カウンセラーが作った診断テストに注意
ネット上を見渡すと、サイト運営者が独自に作ったHSPのチェックテストや診断テストもあります。
アーロン博士のサイトや研究論文を引用するなどしていればまだ良いのですが、多くは研究やエビデンスを無視して自己流で作ってしまっています。
一見よさげですが、実は論文など公式の質問項目とはだいぶズレています。
公式の項目はさきほども触れた
この3つが基本ですので、個人ブログ(特にHSPのカウンセラーやアドバイザー等を自称する人)にあるサイト運営者が独自に作ったHSPチェックリストは避けた方が良いです。
(Japan Sensitivity Researchなどの研究者が運営するサイトはOK)
HSPチェックリストは重要な物なので、下手にアレンジせず論文など公式のものを使うのが一番。
僕がもしHSPチェックリストを扱うとしても、あくまで『引用した』ということは強調しておきます。
発信者としてのモラルにも関わりますからね。
HSP診断の点数より大事なことがある
- 病院でHSPかどうかの診断をすることはない
- チェックテストはあるが、その前に「DOES」にあてはまるかを確認
- 当てはまった上で、チェックテストを受けることでHSPかどうかの判断
- 一部の発信者が独自のHSPチェックリストや診断テストを作っているが、エビデンスを無視して質が低いため要注意
セルフチェックとはいえ、ある程度自分がHSPなのかやHSPにどれくらい当てはまるかは判断できます。
とはいえ、HSPがあなたのすべてではありません。
HSP以外の気質や性格などいろいろ合わさって人間はできているわけで、生活から仕事まで全部HSPに沿う必要もありません。
HSP的な考えが楽であればどんどん取り入れればいいし、キツイと感じたらやらなければいい。
チェックテストでHSPかを把握しつつ、自分が楽にできる生き方も模索しましょう。